高倉海鈴は尋ねた。「お兄さん、金川草を持っていますか?」
秋山明弘は困惑した表情で答えた。「私が金川草を持っているはずがないでしょう?それはとても貴重なものですよ。それに、そんなにたくさんの金川草を何に使うんですか?」
高倉海鈴は少し落胆した様子だった。
秋山明弘は興味深そうに「藤原徹のためですか?海鈴、君が男性にここまで心を砕くのを見るのは初めてだよ」
高倉海鈴は慌てた様子で即座に否定した。「そんなことないわ」
電話を切った後、高倉海鈴は考え込んだ。自分は藤原徹のことを気にしすぎているのだろうか?
……
その時、藤原徹はソファーに優雅に寄りかかり、目を閉じたまま淡々と尋ねた。「村上家の者がネット上で噂を流し、私の妻を中傷しているそうだな?」
高野広は慎重に答えた。「彼らは、あなたが村上さんを見捨てて奥様と結婚したことについては不問に付すと言っていましたが、今回は数本の草のために村上家との関係を断絶するとのことで、すべては奥様が仕組んだことだと…」