第195章 一石二鳥だ!

当初、藤原徹が村上家に恩を施すことに同意させるため、藤原の祖父は重要なものを取り出したのだった。

今や村上真由美の数言で、藤原徹の忍耐は完全に尽き果て、村上家との付き合いを断絶してしまった。

そして、最も重要なのは……

村上の祖父は目を赤くし、激しく二度咳き込んだ。「私の病気はますます悪化している。高額な医者に診てもらったが、金川草でしか治療できないと言われた。しかし市場では全く手に入らない。その代わり、藤原徹が百株以上の金川草を持っていると聞いた。お前たちも分かるだろう、薬草がなければ、私の命は保てないんだ」

村上真由美は突然身震いした。

村上の奥様も大変なことを引き起こしてしまったと理解した。

祖父は多くの後ろめたいことをしてきたため、夜中に目覚めると常に敵が復讐に来る夢を見て、体調は日に日に悪化していた。金川草だけが彼の病を治せるのだった。

苦心して金川草のありかを探り当てたが、藤原徹は既に彼らとの付き合いを断っていた。

村上の祖父は眉間を揉みながら言った。「真由美、今日何があったにせよ、私と一緒に謝罪に行かなければならない。たとえ高倉海鈴が気に入らず、心の中で彼女を卑しい女だと思っていても、それを表に出してはいけない。それに藤原徹は彼女をとても気に入っているようだ。彼らの許しを乞わなければならない」

「金川草さえ手に入れば、ゆっくりと高倉海鈴を始末すればいい!少しの間の辛抱だ」

村上の奥様は静かに諭した。「真由美、お祖父様の言う通りよ。まず金川草を手に入れて、それから高倉海鈴に対処しましょう。その時はお祖父様が必ず助けてくれるわ」

村上お父さんも同意した。「そうだ!真由美、まずは頭を下げて、藤原さまと高倉海鈴に謝罪するんだ。藤原さまが飽きれば、高倉海鈴を追い出すはずだ。その時こそ、お前を迎え入れてくれるだろう!」

村上真由美は涙を拭った。藤原徹に謝罪するのは難しいことではないが、高倉海鈴に頭を下げるのは耐え難い屈辱だった!

なぜあんな卑しい女が、こんなにも運が良いのか。藤原さまの庇護を得られるなんて、たとえ一時的なものでも村上真由美は嫉妬を感じずにはいられなかった。