第215章 同じ母から生まれた兄弟なのに似ていない

「明、もう言わないで。私は日本に帰るべきじゃなかったの……今、徹はもう結婚してるし、私は彼を探しに来るべきじゃなかったわ」八尾夢子は涙を流し、恥ずかしさと怒りで立ち去った。

藤原明は夢子の後ろ姿を見て、急いで追いかけた。

「夢子姐!夢子姐!」

八尾夢子は声を上げて泣き、藤原明は心を痛めた。「夢子姐、もう泣かないで。あれからずいぶん時間が経ったし、兄さんはもう忘れてるはずだよ。それに、もう結婚してるし」

八尾夢子は涙目で言った。「私は徹のことを分かってる。彼は本当に海鈴のことを好きじゃない。ただ適当な女性と結婚しただけよ。もし本当の愛に出会ったなら、私は邪魔をしないわ」

藤原明は懸命に諭した。「兄さんはあの女性のことを大切にしてるように見えるよ。それに、あの時は夢子姐が自分から去ったんでしょう。今更兄さんを探しに来るのは良くないと思う」