藤原徹はこの子がそれほど馬鹿じゃないと感じた。自分が二人の夫婦の邪魔をしたことを分かっているから、申し訳なく思っているのだろう。
さっきまで藤原奥様のキスに夢中だったのに、邪魔されてしまった。今すぐこいつを殴りたい気分だ!
藤原徹は冷たい目で藤原明を見つめ、休憩室から出て行くのを待っていた。
ところが藤原明は突然駆け寄って、二人を引き離し、真剣な面持ちで言った。「夫婦喧嘩は当たり前のことだけど、藤原徹、男なんだから少しは譲るべきだろう。なのに手を上げるなんて、どういうことだ?顔が真っ赤になってるし、唇まで腫れてる!」
高倉海鈴:「??」
藤原明がここまで生きてこられたのは、本当に奇跡的だ。
藤原徹は眉をひそめた。
藤原明に対して、本当に言葉が出なかった!
彼はいつも冷淡で情け容赦ないため、一目で周りの人々を震え上がらせることができたのに、この二人だけは別だった。