「兄さん、食べてよ!」
藤原明は羊肉の串を口に運びながら、藤原徹に促した。
マジで、焼き肉が好きじゃない人なんているのか?
高倉海鈴と藤原明はメニューいっぱいの料理を注文し、しかも全部辛め。真っ赤な唐辛子を見ているだけで食欲が湧いてきた。
でも藤原徹は辛いものが苦手らしく、高倉海鈴は彼のために辛くない料理も注文した。
高倉海鈴はその辛くない料理の山を見て、なんだか物足りない気がして、全く食欲が湧かなかった。
そのとき、高野広が近づいてきて、藤原徹の耳元で何か囁くと、藤原徹は一緒に外へ出て行った。
戻ってきたとき、テーブルの上には既に料理が山盛りになっていた——
「藤原徹さんが選んだ店、すごくいいね!こんな高級な焼き肉、初めて食べたよ。この肉、めちゃくちゃ柔らかい!食材が最高だよ!美味しいと思わない?」
藤原明は一口飲み込むや否や、急いでまた口に詰め込んだ。
彼は高倉海鈴に二本のホルモンを差し出して、「この味が苦手な人もいるかもしれないけど、僕は大好きなんだ。ここのホルモン、特に美味しいよ。早く試してみて!」
藤原徹は眉を上げた。
少し席を外しただけなのに、二人はこんなに親しくなっているのか?
初対面の時はまだ剣を交えるような雰囲気だったのに、今は三人で座っていて、まるで自分が部外者みたいだ。
藤原徹は冷笑して:「藤原明。」
藤原明は不思議そうに顔を上げた。
男は軽く微笑んで:「ホルモンは控えめにな。」
藤原明は不満そうに言った:「自分が食べないくせに人にも食べさせないの?ホルモンを馬鹿にしてるの?焼き肉を食べ始めて何年も経つけど、ホルモンが体に悪いなんて聞いたことないよ。兄さんは焼き肉なんて食べないくせに、意見する資格ないでしょ!」
「ホルモンが悪いとは言ってない。」藤原徹はその内臓を見ながら、これのどこが美味しいのか分からなかった。
そして彼はゆっくりと口を開いた:「食べたものは体の同じ部分に効くって言うけど、肝心なのは、お前がそんなに食べて使い道があるのかってことだ。」
高倉海鈴は顔を赤らめて:「コホン、コホン……」
藤原明は二人を不思議そうに見た。これはどういう意味だ?