第257章 門前払い

翌日。

山下涼介の絵画展は午後三時から始まる。

高倉海鈴は幼い頃から彼の絵を見てきたので、もう興味を失っていた。

しかし、高野広は山下涼介の熱狂的なファンで、絵画展のチケットは入手困難で、多くの名家でさえ手に入れられないのに、彼のような秘書がどうやって手に入れられるだろうか?

そして藤原明も行きたいとずっとうるさく言っていたので、高倉海鈴は直接山下涼介に前方の席のチケットを2枚もらった。

午後二時、高野広と藤原明はスーツを着て、早くから絵画展の入り口で待っていた。

二時半になると、人々が続々と入場し始めた。

藤原明は周りの人々を見回した。皆東京の名家の人々で、さらに政界の人々も来ていた。

彼は思わず感嘆した:「僕の憧れの人は本当にかっこいいな!山下涼介最高!」

どんなに偉い身分の人でも、きちんと列を作って並んでいる。それは彼の絵画展を見るためだけで、これこそが彼への最大の評価だった。