第294章 私はずっとお前の兄だ

山田莉央は少し怒って言った。「明、子供は余計なことを考えないで。会社のことはあなたには関係ないから、部屋に戻って休んでね」

藤原明は純粋な心を持っていても、藤原徹が母親の実子ではないと感じていた。

当時、藤原徹が藤原財閥を設立したのは、自分の実力で一歩一歩築き上げたもので、藤原家の財産は一切使っていなかった。それなのに、今になって奪おうとするなんて?

彼は力がなく、発言権もないので、そのまま階段を上がった。

藤原明が去った後、藤原俊介は取り入るような表情で言った。「進、明は藤原徹を実の兄だと思っているから、彼に親しみを感じているんだ。でも、あなたが明の兄であることは分かっているはずだから、これからは彼のことをよろしく頼むよ」

陸田進は頷き、穏やかな笑みを浮かべた。