藤原徹は頭を掻きながら、ぶつぶつと呟いた。「兄さん、なんで隠れてるの?さっき、服を着てない女性を見たような…」
服を着てない?
藤原徹の喉仏が動いた。
高倉海鈴はハッとして、藤原明が言っている女性が自分だと気づいた。
彼女は自分の水着を見下ろし、声を荒げて叫んだ。「これのどこが服を着てないのよ?」
藤原徹「……」
彼は再び高倉海鈴にバスタオルを掛け、彼女の体が露出していないことを確認してから、安心して扉を開け、藤原明の襟首を掴んだ。
藤原明が困惑した表情を浮かべていると、首筋が締め付けられ、慌てふためいた。
「兄さん、兄さん、何するの?僕は海鈴さんがバスタオルを着ているのを見ただけだよ。」
バスタオルだけを見たなんて、よかった。
実は藤原明は前から渡道ホールでプールに入りたかったのだが、藤原徹に許可されなかった。今回やっとチャンスが来た。