高倉海鈴は先ほど起きた出来事を話し、怒りながら言った。「天気がよかったから、ちょっと泳ぎたかっただけなのに。彼が水着をくれたけど、ちょっと露出が多いけど、でもかわいかったのに!」
「ちょっと待って!」山下友希は驚いて、コーヒーを吹き出し、秋山明弘の顔にかかってしまい、彼は怒って机を叩いた。
山下友希は急いで声を低くして言った。「海鈴、もう一度言って?藤原徹が露出の多い水着をくれたの?」
高倉海鈴はまだ水着を着たままで、浴室に行き、鏡の中の自分を見つめ、頬が少し赤くなった。
「藤原徹がこんなに変態だとは知らなかった。こんな露出の多い水着をくれるなんて。」
山下友希はティッシュで口を拭いながら、「海鈴、藤原徹が泳がせたくなかったのは、嫉妬だったかもしれないって考えたことある?」
高倉海鈴は固まった。
え?嫉妬?
「そんな露出の多い水着を着るなら、彼にだけ見せるべきでしょう。男ってみんなそうよ。あなたと藤原明が仲良くしているのを見て、嫉妬したのよ。それに、そんな露出の多い格好を他の男に見られたら、彼が気分いいわけないでしょう?」
高倉海鈴の表情は少し和らいだが、まだ少し憂鬱そうだった。
彼女はテーブルの上のイチゴを手に取り、思い切り噛みついたが、何も味がしなかった。
そうだ、藤原徹とキスをしないと味覚が戻らない。これは本当に面倒くさい。
山下友希は彼女が食べているのを聞いて、不思議そうに「何を食べてるの?味覚戻ったの?」
高倉海鈴は手の中のイチゴを見つめた。以前は味覚がなかったので、空腹を満たす以外の食事はしなかった。どうせ味がしないのだから、お腹が満たされればそれでよかった。
でも今は...彼女の部屋にはいつも果物やお菓子が置かれていて、テーブルの上にも山積みになっていた。
藤原徹がいるから、彼は彼女の夫なのだから、味覚を取り戻したい時は、藤原徹のところに行ってキスをして、それから部屋に戻ってお菓子や果物を食べればいい。
でもこのことは山下友希には言えない!
山下友希は返事がないのを不思議に思い、「海鈴、私の話聞いてる?藤原徹が味覚を戻してくれたの?」
高倉海鈴は顔を赤らめ、少し考えてから、山下友希に味覚がどうやって戻るのか話すことにした。