第307章 結局はやはり私のもの

その後、山下涼介は二人でスタッフに囲まれながら壇上に上がり、八尾夢子は舞台の前に立ち、甘い声で話し始めました。「この貴重なバイオリンを落札できて大変嬉しく思います。また、慈善事業に3億円を寄付できることを光栄に思います。」

彼女は横を向いて優しく山下涼介を見つめながら言いました。「この機会に、このバイオリンを山下さんに贈らせていただきたいと思います。基金の名前に山下さんのお名前も加えていただければと思います。このバイオリンは山下さんにお贈りするものですから、私はただの取り持ち役に過ぎません。」

今回のチャリティーオークションでは、最も多く寄付した人が命名権を得られることになっています。彼女はすでに3億円を寄付しており、これ以上の金額を出す人はいないでしょう。そのため、基金の命名権は確実に彼女のものです。山下涼介の名前を加えるのは、単に彼を引き寄せるための策略に過ぎません。