第306章 贈呈式

八尾秋野は内心喜び、今や八尾家は山下涼介とのつながりができ、つまり帝京の山下家と同盟を結んだことを意味し、自信がついた。

「高倉海鈴!嫉妬で死にそうでしょう?私の姉は山下涼介さんのお友達なのよ!あなたは?」

高倉海鈴は冷静に答えた。「私と山下涼介さんは確かに友達ではありません」

八尾秋野は得意げな表情で言った。「自分のことをよく分かっているようで何より。これからは姉に会ったときは礼儀正しくして、自分の立場をわきまえなさい!」

「お姉ちゃん、後で藤原家に行って、藤原おじさんと楓おばさんに今日のことを話しましょう。みんなにお姉ちゃんこそが藤原奥様にふさわしい人だということを見せましょう!」

八尾夢子は可愛らしく言った。「秋野、そんなこと言わないで。海鈴が誤解してしまうわ。それに、彼女が画家の山下さんを知らないのは当然のことよ。きっと絵が好きじゃないのかもしれないわ」