第323章 あなたは私たちの愛の証人

高倉海鈴はきっと心の中で涼介のことが好きなはず。ただ、面子を保つために認めたくないだけ。

誰もが知っている。藤原涼介の会社が今日の栄光を得たのは、高倉海鈴の努力のおかげ。でも、これからはそれらすべてが高倉彩芽のものになる。

高倉海鈴が怒らないはずがない。きっと心の中では吐き気がするほど憤っているはず！

高倉彩芽は優しい表情を浮かべ、親密そうに装って言った。「お姉様、私の結婚式に来ていただきたいの。お願い、来てくれない？」

その時、配信を見ていたファンたちは羨ましそうな表情を浮かべていた。

彩芽ちゃんに結婚式に招待されたら、なんて光栄なことだろう！

みんなが高倉海鈴の承諾を待っていた。高倉彩芽は私生児とはいえ、高倉海鈴の妹だし、しかも将来の藤原奥様になるのだから、断るわけがない。

高倉彩芽の目には得意げな色と陰険な光が宿っていた。「お姉様、もしあなたがいなければ、私と涼介兄は出会えなかったかもしれません。あなたは私たちの愛の証人なの。来てくれないなんて、とても残念で...」

「行かないわ！」高倉海鈴は冷たい声で言い、高倉彩芽の言葉を遮った。

皆は目を見開いて、信じられない様子で彼女を見つめた。

高倉海鈴は涼しげに言った。「あなたが招待したから、私が必ず行かなければならないの？何の権利があって？」

高倉彩芽は即座に悲しそうな表情を浮かべ、唇を噛みしめ、涙をぽろぽろと流し始めた。

「お姉様、どうしてですか？」

彼女の弱々しい姿に、その場にいた全員が心を痛めた。

佐藤鈴は即座に飛び出してきて、怒鳴った。「高倉海鈴！何のつもり？彩芽が直接招待してるのに、断るなんて！ひどすぎるわ！」

「私たちの彩芽は優しくて善良だから、過去のことは水に流して、結婚式に招待してくれたのよ！あの時、あなたは彩芽と涼介が一緒になったことを妬んで恨みを抱き、人を雇って彩芽を襲わせようとしたでしょう。あの件...」

「鈴！」高倉彩芽は慌てて遮り、急いで制止した。「鈴、もういいの。お姉様は...」

佐藤鈴は憤慨して言った。「彩芽！あなたはずっと彼女をかばってきたけど、彼女はあなたの優しさなんて全然覚えてないわ。むしろますますあなたをいじめるだけよ！」