第367章 八尾夢子がまた悪さをしようとしている

「ここに宣言します!三年前のバイオリンコンクールの優勝は無効です!あの大会は優勝者なしとします!」

モーティスは大声で宣言した。実は彼の心の中では、高倉海鈴こそが正当な優勝者だったが、もはや海鈴自身がそれを気にしていないかもしれなかった。

佐藤敏隆は膝が震え、椅子につかまらなければ倒れそうになり、やっと立っていられた。その目には敗北の色が満ちていた。

八尾夢子も目を見開き、恐怖に満ちた表情で説明しようとしたが、周囲の軽蔑的な視線を感じ取り、怒りを抑えながら俯くしかなかった。

高倉海鈴!絶対に許さないわ!

いつか必ず、あなたが私に与えた苦痛と屈辱を全て返してやる。同じ思いをさせてやるわ!

木村家の方々がこの時、場を取り繕った。「誰か!佐藤さんを休憩室へ案内してください。パーティーは続けましょう。」