第345章 ロマンチックな明鈴別館

藤原涼介は顔を青ざめさせた。藤原明は彼を侮辱しているのだ!彼は海涼グループの社長なのに、藤原明は遊び人の金持ち二世に過ぎない。なぜ彼を見下すことができるのか!

「会社から八億円の運転資金を流用して、会社の重鎮たちが許すはずがない。おまけに義理の妹と不倫するなんて、本当に恥知らずだ!こんな奴が藤原の姓を名乗る資格があるのか?俺の名前と一緒にされるのは恥ずかしい!」

「えぇ……」校長は困惑して尋ねた。「藤原若旦那、どうすればよろしいでしょうか?」

結局、藤原涼介は学校に八億円を寄付したのだから、その名前を外すわけにはいかない。

藤原明は数秒考えた。どうせ藤原家には使い切れないほどの金があるし、使わなければ陸田進のポケットに入ってしまう。だから金を使うのもいいことだ。

「藤原涼介の八億円は俺が出す!元々はあの不倫野郎と不倫女が一緒に寄付する予定だったんだろ?今や高倉彩芽も寄付しないんだから、彼が寄付する必要なんてない。だから十六億円は俺が全部出す!」

藤原涼介は顔を暗くして「藤原……」

しかし言葉を発する前に、校長が熱心に駆け寄ってきた。「藤原若旦那、本当にありがとうございます!全校の教職員と生徒を代表して、あなたの寛大なご寄付に感謝申し上げます!」

藤原涼介の言葉は喉に詰まった。

なんて横暴な!

藤原明は得意げに笑いながら、藤原涼介を軽蔑的に見た。「早く会社の八億円の穴を埋めたほうがいいぞ。あの会社は高倉海鈴が一から作り上げたものだろう。お前のように会社の資金を浪費するなんて、男として失格だな」

「お前らの会社の名前、海涼グループもさっさと変えろよ。聞いてて気分悪いから、不倫グループにでもしたらどうだ」

藤原明に公衆の面前で侮辱され、藤原涼介の顔は赤くなったり青ざめたりした。

校長は尋ねた。「藤原明若旦那、教学棟にはあなたのお名前を付けさせていただきましょうか?」

藤原明は考え込んだ。「藤原明棟か。ちょっと変だな」

校長は「では……」

「もう一人加えたらどうだろう」藤原明は悪戯っぽく笑った。「高倉海鈴の名前を加えて、明鈴別館はどうだろう?いい響きでしょう?」

校長は頷いた。「素晴らしい!明鈴別館に決定です!高倉さん、こちらへどうぞ!」

傍らに座っていた高倉海鈴は「??」

明鈴別館?