第388章 二重の喜び

無数の反対の声が上がり、皆は藤原家の誰が権力を握るかなど気にしていなかった。彼らは自分たちの利益が損なわれないことだけを確実にしたかった。陸田進は正当な権利を持っているとはいえ、藤原徹だけが皆にお金を稼がせることができた。

藤原俊介は平然とした顔で、淡々と言った。「皆さんの言うことはもっともです。徹は確かに有能ですが、彼は重傷を負っており、会社を管理する体力も、藤原家の後継者となる能力もありません。」

彼はため息をつき、眉をひそめた。「北部郊外のあの土地ですが、徹は競売で150億円まで上げた時に、突然放棄しました。藤原家の執事としてこのような重大な過ちを犯したのですから、彼も十分反省すべきでしょう。」

ドーン——

皆は目を見開いた。藤原社長があの土地を自ら放棄した?