第389章 150億円が水の泡に

陸田の祖父はまだ満足せず、冷たい声で嘲笑った。「私たちの進は嫡男だから、運も違うのは当然だ。私生児は目先のことしか考えられない。たった150億で諦めるなんて。もし藤原家を任せたら、早晚全てを潰してしまうだろう!」

彼は「私生児」という言葉を繰り返し、名指しこそしなかったが、誰のことを言っているのか皆知っていた。

その時、宴会場の空気が凍りついたかのように、皆が息を潜めた。

藤原俊介は慈愛に満ちた表情で言った。「進、心配するな。父さんが全力で支援する。この土地はお前のものだし、後継者の座もお前のものだ!」

「藤原取締役!!」幹部は焦りながら遮った。額には汗が浮かんでいる。「いいえ!違います……」

藤原俊介は不機嫌そうに眉をひそめた。「何が違うんだ?物の言い方を知らんのか?私が進を藤原家の後継者だと言っているのに、反論するのか。進がこの土地の開発権を持っているのに、誰が彼を軽んじられようか?」

「まだ話が終わっていません。この土地は開発できないんです!」幹部は困った表情で言った。「つまり、150億円は無駄になったということです!」

この言葉が出た瞬間、場内は静まり返った。

開発できない?皆の頭の中でこの言葉が繰り返し響き、そして事態の深刻さに気付いた。

150億で土地を買ったのに、開発できないなら、どうやって利益を出すのか?まさに無駄金ではないか?

藤原俊介は顔を曇らせた。「何だと?でたらめを言うな。そんなはずがない!我々は既に手続きを済ませている。この土地の開発権は進のものだ。契約書にもはっきりと書かれている。進がこの土地の所有者なんだ!」

「しかし、しかし……」

幹部は歯を食いしばり、皆を仰天させる言葉を口にした。

「確かにそうでしたが、その土地の下から巨大な古墳が発見されたんです……」

ドン!!

藤原俊介はよろめき、力が抜けたように椅子に座り込んだ。

「いや、そんなはずはない。」

幹部は事ここに至っては隠す必要もないと思い、すべてを話した——

「国が既に専門家を派遣して調査済みです。地下に巨大な古墳があり、その土地は既に封鎖されています。考古学チームが明日東京に来て発掘を始めます。そのため、この土地は開発できず、既に国有財産となっています。」