陸田進は慌てて携帯を取り出し、震える手で助手に電話をかけた。
しばらくして、電話を切ると、歯を食いしばって恨めしそうに言った。「担当者に会って、できるだけ損失を最小限に抑えるように…交渉してみます。」
陸田の祖父は血の気が上がり、その場で倒れそうになった。
百五十億円が、こうして消えてしまったのか?
つい先ほどまで、皆は陸田若旦那が藤原社長から土地を奪い取り、さらに藤原家の後継者の座まで手に入れようとしていることに驚嘆していた。
誰が知っていただろう、この土地の下に古墳があったとは。
藤原社長は幸運だった。早めに諦めたおかげで損失を免れたが、陸田進は運が悪かった。手に入れた土地がまだ温かいうちに、百三十億円もの損失を出してしまった。
陸田の会社は既に危機的状況にあったが、今回の大損失で、さらに藤原俊介も四十億円以上の損失を被り、かなりの影響が出たはずだ。