第441話 デザイン画にはもう一つの部分がある

ジェイソンはよろめきながら、高倉海鈴を指差して叫んだ。「お前の動画はどこから出てきたんだ？高倉海鈴！明らかにお前が私の作品を盗作したんだ！謝罪を拒否するだけでなく、今度は証拠を偽造して私を陥れようとしている！そんなことは許さないぞ！」

「私はデザイン界で長年やってきて、一度でも盗作したことがありますか？実力があるのに、なぜ盗作する必要があるんですか？むしろあなたは新人なのに、どうしてこんな完璧な作品をデザインできるのか、それこそ常識に反していますよ！」

「お前が私の作品を盗作したんだ！」

八尾夢子は顔を青ざめさせ、側にいる手下の松下達也が慌てて口を開いた。「高倉さん、ジェイソンさんが雑誌に発表したデザイン画には確かな証拠がありますが、あなたが出したのはただの動画で、証拠にはなりません。それに、そのデザイン画があなたが描いたものだとしても、必ずしも4年前とは限りません。昨日描いたばかりで、自分の潔白を証明するために日付を改ざんした可能性もあります。」

人々は疑問を抱き始めた。確かにそれもありえない話ではない。今の技術が発達している中で、できないことなどあるのだろうか？

しかし、時間が改ざんされているかどうかは、専門家に鑑定してもらえば分かることだ。

もし高倉海鈴が本当に腕の立つハッカーを雇って動画の時間を改ざんしたのなら、彼らにとっては簡単なことかもしれない。一つの動画だけで善良な人を冤罪に陥れるわけにはいかない。

どう考えてもジェイソンには実質的な証拠があり、高倉海鈴の証拠はただの動画で、説得力に欠ける。

ジェイソンは表情を和らげた後、激怒して叫んだ。「高倉海鈴！お前は盗作だけでなく、私を陥れようとしている！お前のような人間はデザイナーを名乗る資格がない！」

八尾夢子は悲痛な表情で言った。「海鈴、どうしてこんなことをするの？今なら謝れば間に合うわ。私の立場を使ってデザイン界で取り持つことができるけど、もし悔い改めないなら、デザイン界であなたの居場所はなくなるわ。お願いだから、分別のある行動を取って！」

高倉海鈴は怒る様子もなく、意味深な笑みを浮かべた。「確かに一つの動画では有力な証拠にはなりませんね。でも、ジェイソンさんは想像もしていないでしょう。これは私のデザイン画の半分に過ぎないということを。」

ジェイソンの表情が変わった。