第411章 遠山初美は既に協力を承諾した

話が終わらないうちに、高倉海鈴が怒りを露わにして部屋に入ってきて、椅子に座っている八尾夢子を見下ろすように見た。

「八尾さん、申し訳ありませんが、藤原財閥はサニーデイと契約を更新することはできません」

八尾夢子の表情が険しくなった。

高倉海鈴のオーラは強く、冷たい眼差しは八尾夢子に無形のプレッシャーを与えた。

松下達也が突然立ち上がり、八尾夢子の前に立ちはだかり、眉をひそめて言った。「高倉さん、私たちは業務の話をしているところです。口を出さないでください!」

八尾夢子は目を潤ませ、怨めしそうに藤原徹を見つめ、委屈そうな表情で言った。「海鈴、私たちの間に誤解があるのは分かっています。私のことを嫌っているのも分かっています。でも、私はサニーデイブランドの代表として契約更新の話をしに来たんです。これは会社の利益に関わる重要な案件です。個人的な感情で会社全体の利益に影響を与えるべきではありません」

そう言いながら、八尾夢子は藤原徹の表情を探るように見た。

高倉海鈴がこのように場をわきまえず、大局を考えずに騒ぎ立て、個人的な感情を藤原財閥の業務に持ち込むことは、藤原徹が最も嫌う女性の態度だった。

そして...八尾夢子は確信していた。藤原徹は私事で会社の利益を損なうことはしないはずだ。だから、彼が高倉海鈴をどれほど好きでも、海鈴の要求を拒否するしかないはずだと。

八尾夢子は穏やかに口を開いた。「海鈴、あなたはまだ分かっていないかもしれませんが、藤原財閥とサニーデイの提携は、国際的に大きな成果を上げています。だから、私が契約更新に来たのは自分のためだけではありません。藤原財閥もサニーデイを必要としているんです。私たちは欠かせない存在なんです」

「欠かせない?」高倉海鈴は眉を上げ、冷ややかな目つきで言った。「八尾さんの言う意味は、藤原財閥があなたなしでは立ち行かないということですか?それとも藤原徹があなたなしでは生きていけないということですか」

「それは...」