第465章 イケメンすぎるのも悩みの種

翌日。

上流社会でパーティーが開かれ、木村香織は退屈そうにあちこち歩き回っていた。

彼女は木村家のお嬢様で、気の強い性格のため、誰も彼女に近づく勇気がなかった。

大広間の隅に歩いていくと、香織は中から会話が聞こえてきた。立ち去ろうとした時、中から男性の声が聞こえてきた。「お嬢さん、もし聞き取れなかったのでしたら、もう一度言いますよ。」

香織はその声をどこかで聞いたことがあるような気がしたが、すぐには思い出せなかった。

男性は声を大きくした。「私の要求は高いんです。彼女は美人で、スタイルも良くて、稼ぐ能力もなければなりません。養ってもらうつもりはありません。分別があって、呼べばすぐ来て、帰れと言えばすぐ帰る。私が忙しい時は距離を置いて、私の生活を邪魔しないこと。」

香織：「……」

くそ！この男は誰だ？なんてバカなんだ！

すると中の男性は続けた。「外見の他に、優しくて可愛らしくて、私と価値観が合っていて、それから……」

まだ言い終わらないうちに、香織は向かいに座っていた女性が突然立ち上がり、グラスの水を男性の顔にぶちまけるのを目にした。

「ふん！あなたみたいな人が彼女を作る資格なんてないわ！一生独身でいなさい！」

香織は思わず笑ってしまった。その通りだ、こんな男に彼女なんて作る資格はない！

ドアが勢いよく開き、怒り心頭の女性が飛び出してきた。香織は驚いて、こっそり立ち去ろうとした。

すると中からまた声が聞こえてきた。「まだ他にいるのかな？はぁ…イケメンすぎるのも悩みの種だよね！」

まだいるの？

この声、どこかで聞いたことある？

香織が中を覗くと、なんと藤原明だった！

藤原明は高級オーダーメイドのスーツを着て、手首には高級な金の時計、首には数百万円のネックレスをつけ、成金のような装いで、目には三分の気だるさと七分の傲慢さを漂わせていた。香織を見た瞬間、思わず「うわっ！」と声が出た。

この女性は高倉海鈴の友達か？

香織は部屋に入り、軽く微笑んだ。「藤原若旦那、お見合いですか？」

藤原明は困ったような表情を浮かべ、苦笑いしながら言った。「はぁ…見てしまいましたか。また失敗です。これで七十八回目のお見合いです。上流社会のお嬢様たちを全員怒らせてしまったかもしれません。私はまだ子供なのに、なぜお見合いしなければならないのでしょうか？」