第447章 ダイヤモンドのブローチ

デザイン界で最も有名なデザイナーと言えば遠山初美だが、彼女は常に控えめで、その素顔を見たことがある人は片手で数えられるほどしかいない。今回、その素顔が公開され、ネット上で大きな話題を呼び、瞬く間にウェイボーのトレンド1位を占めた。

投稿には遠山初美の本名は書かれておらず、コメント欄でも誰も触れていなかった。写真の中の遠山初美の顔はやや不鮮明で、意図的にそうしたようだったが、この1枚の写真だけでネットユーザーたちは沸き立っていた。

芸能界のすべてのセレブリティは遠山初美のジュエリーを身につけることを誇りとしており、より良い仕事を得たければ、絶対に遠山初美の機嫌を損ねてはいけない。八尾夢子が遠山初美の作品を盗作し、彼女の怒りを買ったことを知り、皆は当然どうすべきかわかっていた。それ以来、誰も八尾夢子と仕事をしようとしなくなった。

高倉海鈴は眉を上げ、「サニーデイはもうすぐ消えることになるわね。八尾夢子は今回どん底に落ちたわ。これからデザイン界でどうやって生きていくのか、見物ね!」

藤原徹は椅子に静かに座り、お茶を一口すすった。

高倉海鈴は落ち着くことができなかった。彼女はそういう人間で、人に害を与えられない限り人に害を与えない。八尾夢子が報いを受けるのを見て、抑えきれないほど嬉しくなり、喜びのあまり感情を抑制できなくなっていた。

「藤原徹、どうしてあなたは少しも嬉しそうじゃないの?八尾夢子の表情も、私が遠山初美だと知った人たちの目つきが変わったのも、見なかったの?」

「サニーデイを訴えたのか?」

「八尾夢子は今回いくら賠償金を払うことになるのかしら?私の計算では2000万から5000万の間になると思うわ。だって藤原財閥が訴えるんだもの、彼女は必ず代償を払わなければならないわ!」

藤原徹はゆっくりと目を上げた。「いくら賠償してほしいんだ?」

高倉海鈴は瞬きをして、「実はそんなに多くなくてもいいの。でも八尾家のビジネスはずっと彼女の兄が管理していて、兄は何も悪いことをしていないわ。八尾家の他の人たちまで巻き込む必要はないから、八尾夢子が八尾家のお嬢様という身分を利用して好き勝手することができないようにすればいいと思うの」

藤原徹は突然、高橋川広の言葉を思い出した——