第454章 一緒にインスタントラーメンを食べよう！

つまり、さっき聞こえた声は藤原徹の心の声だったの？

高倉海鈴は意地悪く笑って、もう少し近づき、藤原徹の心の中で何を考えているのか聞こうとした。

ところが……

【私はかなり自制していたのに、彼女は気を失ってしまった。】

高倉海鈴の表情が一瞬で凍りついた。

【やはりもっと鍛えないと。】

高倉海鈴：「……」

【でも彼女の体はとても良い香りがして、柔らかくて、触り心地が良くて、食事をする姿も可愛らしい。】

高倉海鈴：「……」つまり藤原徹は普段は品行方正で女性に近づかないふりをしているけど、実は心の中ではこんな不健全なことを考えているの？

以前、藤原徹が高慢な態度を装って、彼女の誘いを断ったのも、全部演技だったの？実は彼も望んでいたの？

高倉海鈴は冷静を保ち、咳払いをして：「このサンドイッチ一つしかないけど、私が全部食べちゃったら、あなたは何を食べるの？」

まだ早朝で、藤原家の食事時間は8時だし、使用人たちもまだ起きていないし、キッチンにも食べ物がほとんどないし、それにもみじ園は玄関ホールから遠すぎて、行き来が不便だった。

藤原徹は唇を引き締めた。

【私が空腹なのは構わないが、彼女を空腹にさせるわけにはいかない。もしかして……まだ足りないのかな？高野広に持ってきてもらってもいいけど、海鈴は昨夜かなり消耗したから、高野広が来るのを待つのは遅すぎる。】

【藤原奥様の食欲は結構あるな。】

【やはり高野広に……】

藤原徹は平然とした様子で：「今から高野広に電話して、食べ物を持ってきてもらおうか。何が食べたい？」

高倉海鈴は意地悪く笑って：「やめておきましょう！こんな早朝だし、広もまだ寝てるでしょう。こんな些細なことで呼び出す必要はないわ。ちょっと待っててね。」

そう言うと、彼女は急いで階段を上がり、バッグから二つのカップ麺を取り出し、すぐに階下に戻ってきた。

藤原徹は彼女の手にあるものを見て、眉をひそめた。

高倉海鈴は笑顔で言った：「藤原徹さん、一緒にカップ麺食べましょう？」

藤原徹は5歳までの間、山田莉央に虐待され、いつも外をさまよっていた。カップ麺どころか、残飯さえも彼の分はなかった。