第500話 一番陰険なのはお前だ!

脳なしファンたちがコメントを投稿し終わると、再び画面が暗転した。

その後、監視カメラの映像が流れ、久保真美が久保紫乃を連れて監督の事務所に入っていく様子が映し出され、監督とプロデューサーが急いで出迎えた。

——久保真美:「伊藤監督、私が出資させていただきます。久保家から一億円の投資を出しますが、一つだけ条件があります。青山博之の妹役を私が演じることです。」

——伊藤監督は困った様子で:「久保さん、顔を立てないわけではないのですが...この役はもう決まっているんです。青山さんが推薦した新人で、演技も上手いんです。昨日すでに契約も済ませましたので、申し訳ありません...」

——久保真美は平然と:「二億円です。」

——その時、久保紫乃が激しい口調で叫んだ:「高倉海鈴?あの下賤な女が私たちの真美姉と比べられるの?あいつは詐欺師よ!演技経験もまったくない人間が真美姉と役を争うなんて?あの女が出演したら映画は台無しよ!真美姉こそが興行収入の保証なのに。高倉海鈴を起用するなら、久保家の怒りを買うことになるわよ!」

——久保真美は落ち着いた態度で:「私は高倉海鈴の作品を見たことがありません。おそらく専門的な教育を受けていないでしょうし、体系的なトレーニングも受けていないはずです。どうやって映画をうまく演じられるのでしょうか...でも構いません。もし役が決まっているのなら、仕方ありません。先約があるのですから。」

——伊藤監督は迷った末:「わかりました、久保さん。この役はあなたにお願いします。」

——久保真美:「伊藤監督、ご安心ください。高倉海鈴の違約金は私が払います。」

最後の言葉が終わると、映像が終了し、再び生放送画面に切り替わった。

その時、久保真美はまだ自分の裏庭を紹介していて、ここでよく創作活動をしたり演技の練習をしたりすると語っていた。生放送の様子が一変していることにまだ気付いていなかった。

視聴者たちはしばらく呆然としていた。高倉海鈴が久保真美の役を奪ったのではなく、久保真美が高倉海鈴の役を奪い、さらに逆に非難していたとは。

人々が数秒間呆然とし、この情報を消化している間に、久保真美が口を開いた:「これは私と青山博之との初めての共演でしたが...」

司会者が尋ねた:「どうしたんですか?」