第573章 上下の身分の区別なし

西村奥様は娘の夏目彩美との関係が良くないと聞いていたが、久保真美が実の孫娘ではないと知った時、西村奥様はすぐに久保家の実の子を探し出すよう命じた。

道理から言えば、西村奥様は本物のお嬢様を大切にするはずなのに、なぜ久保真美にこんな貴重な物を与えたのだろう。平等に扱わず、久保家と西村家が久保真美を可愛がっていることを皆に示し、一方で実の子は大切にされていないことを表しているようだ。

高倉海鈴はその吐き気がする顔を見たくなく、藤原徹の手を引いて立ち去ろうとした。

その時、久保真美の驚いた声が後ろから聞こえてきた。

「海鈴?あなたもいらしたの?行かないで、私に会いたくないの?」

皆は久保真美の視線の先を見て、最後に高倉海鈴に目が留まった。彼女が噂の養女だったのか!

久保真美は唇を噛んで「妹」と呼びかけた。