客人たちはこの状況を見て、急いで荷物をまとめ、藤原の本家から慌てて去っていった。
全員が去った後、藤原俊介は怒りを爆発させ、テーブルの上のものを全て床に払い落とした。
「このバカ野郎!八尾家の方々を全員逮捕しやがって!」
陸田進は椅子に悠然と座り、冷ややかに口を開いた。「八尾夢子はもう使えない駒だ。逮捕されようが構わないだろう」
「もし彼女が...」
「ふん!八尾夢子には証拠など何もない」陸田進は嘲笑った。「藤原徹が全てが私の計画だと知ったところで、どうにもできない。証拠がなければ私を殺せないのさ」
藤原俊介は言いかけて止めた。実際、証拠の有無など関係ない。藤原徹が誰かを殺そうと思えば、理由など必要ないのだ。
陸田進はお茶を一口すすり、椅子に寄りかかってだらしなく言った。「父上、八尾夢子が死んでも良いことだ。最後に一度だけ利用できるからね」