第571章 魂の拷問

高野広は眉をひそめて、「佐藤さん、耳が悪いようですね。もう一度言いましょう。あなたと犬は...入れません!」

この言葉を聞いて、佐藤愛美は信じられない様子で数歩後退り、顔色が青ざめた。先ほどは聞き取れなかったが、今の高野広の言葉は耳に残り、聞き逃すことはできなかった。

藤原徹は瞳を沈ませ、グレーブルーのコートに目を落とし、「包んでください」と言った。

その後、彼は高倉海鈴の手を取って店を出た。高倉海鈴は目の前の男性を笑顔で見つめながら、突然手の中に涼しい感触を感じた。

高倉海鈴が目を落として見ると、藤原徹が透き通った色の暖玉を彼女に渡していた。彼女は玉について詳しくなかったが、この暖玉がとても高価なものだということは分かった。確かにあるオークションで見たことがあった。