第607章 一家は全員バカ

夏目彩美は海鈴のような娘がいるのに満足できず、久保真美に加担して海鈴の名誉を傷つけるなんて、そんな人に海鈴の母親である資格があるのか？

山下涼介の言葉が落ちると、皆が驚いて夏目彩美を見つめ、その後軽蔑と嘲笑が続いた。

「夏目彩美は本当に高倉さんの実の母親なのかしら！世の中にこんな母親がいるなんて！自分の娘をこんな方法で傷つけるなんて！」

「あの計算高い養女のためでしょう。以前、青山家のパーティーで、夏目彩美が公の場で、あの養女が藤原社長に恋心を抱いていて、高倉さんと藤原社長の離婚を迫ったって言ってたわ！」

「えっ？そんなことがあったの？」

久保真美は足がふらつき、椅子に手をついて何とか立っていた。

藤原徹は平然とした表情で、山下涼介は冷笑して言った。「藤原社長は目が見えてるんだから、彼女なんか好きになるわけないでしょう？」

久保真美は顔面蒼白で、次の瞬間にも気を失いそうだった。

この段階で、真相が明らかになり、久保統は信じられない様子で目を上げた。「夏目彩美！」

「違います！違うんです！」

夏目彩美は慌てて叫んで弁解した。「海鈴は私の実の娘です、どうして娘を害するようなことをするでしょう！あなたの言うことは嘘です！」

久保統は夏目彩美と二十年以上一緒に暮らしてきて、彼女の性格をよく知っていた。彼女があまりにも慌てている様子を見て、山下涼介の言葉が本当だと確信し、すぐに手を上げて彼女の頬を平手打ちした。

「やってないなら、なぜそんなに慌てる？娘を潰さないと気が済まないのか？お前が海鈴を好きじゃないのは分かっている。でも彼女は俺たちの実の娘だ。久保真美は養女に過ぎない。お前は何を考えているんだ！」

パシッ！

その後、久保統は手を上げて久保真美の頬も平手打ちした。

「久保真美！当時お前の母親が利益のために、お前と海鈴を取り替えたんだ。お前はただのメイドの娘だ。お前に高倉海鈴と争う資格があるのか？お前がいなければ、俺の娘が外で苦労することもなかった！出て行け！久保家から出て行け！」

「お父様、私は……」