第606話 他人を利用して人を陥れる

久保真美は頭を下げたまま、どうやったら高倉海鈴を完全に失脚させられるか密かに考えていた。

今度こそ、高倉海鈴を皆に嫌われるようにして、できれば藤原徹にすぐに見捨てられるようにしたい。そうすれば、もう誰も久保家のお嬢様の座を奪おうとはしないだろう。

久保真美は陰険な思いを巡らせながら、高倉海鈴を踏みつけにして、自分に逆らった報いを思い知らせてやろうと考えていた。

喜びに浸っていた時、周りの人々から驚きの声が上がった。

久保真美は急いで顔を上げると、顔色が青ざめた。

大スクリーンに一つの映像が映し出された。画面には久保家の別荘が映っており、撮影者は茂みに隠れていたものの、非常に鮮明に撮影されており、一言一句がはっきりと聞き取れた。

——佐藤愛美:「私にいい考えがあるわ。高倉海鈴を失脚させられる方法よ!」