藤原徹が黙っているのを見て、彼女は急いで話題を変えた。「海鈴館の隣に室内温泉があるのを見つけたわ!今は雨が降っているから外には行けないけど、一緒に室内温泉に行かない?」
藤原徹は熱い眼差しで、数秒間沈黙した後、一言一言丁寧に尋ねた。「本当に、僕と一緒に行くつもり?」
高倉海鈴は少しも躊躇わずに、「一緒よ!」
藤原徹は目を伏せ、その表情に滲み出る欲望を隠した。
……
二十分後、高倉海鈴はバスローブを着て室内温泉に到着した。床も温かく、室内には微かな香りが漂い、とても心地よい雰囲気だった。
藤原徹の熱い息が近づき、彼女の耳元に吹きかかり、彼女は驚いて体を震わせた。
「藤原奥様、なぜ入らないんですか?」
高倉海鈴は全身が震えるのを感じた。彼女は純粋に温泉に入りたかっただけだったが、先ほど着替えの時、藤原徹が彼女の耳元でこう言ったのだ。「妹よ、君が僕を温泉に誘ったんだ。だから、この後何が起きても僕を責めないでくれ。君があまりにも魅力的で、僕は自制できないんだ。」
彼女は、一見紳士に見える藤原社長がプライベートでこんなにも情熱的だとは思いもよらなかった。しかも、彼のあの面は本当に強すぎて、怖いほどだった。
「あ、あなたが先に入って。私は後で。」高倉海鈴は顔を赤らめながら、どもりながら答えた。
魅力的?自制できない?これが藤原徹の口から出た言葉なのか?
しかも、彼女のバスローブの下には薄い水着一枚だけ。温かい水に浸かれば、何も着ていないのと同じではないか?
藤原徹は熱い眼差しで彼女の体を見つめ、白い首筋から胸元へと視線を移し、しばらくそこで彷徨った後、呼吸が荒くなった。
「わかった、待っていてくれ。」
高倉海鈴は彼を睨みつけた。ふん、この男、毎回私を疲れ果てるまで弄ぶから、怖くなるじゃない。
しかし、彼女は心の中でそう文句を言うだけで、表情は相変わらず取り繕った笑顔だった。「やっぱり温泉はやめるわ。あなた一人で入って。私はもう少し待ってるから。」
藤原徹は彼女の言葉を無視し、ゆっくりとバスローブを脱ぎ、八つのアブドーマルとたくましい胸板を露わにした。広い肩と細い腰、まるでモデルのような体型が高倉海鈴の目の前に現れた。