第618章 旦那様を玄関に置き去りにした

藤原徹は彼女が大切にしている感情を絶対に壊すことはないだろう。

さらに重要なのは、師妹が優しい男性を好むということで、彼女のためにその優しい姿を保ち続けるつもりだ。

一方。

「お兄さん、来てたのになんで前もって教えてくれなかったの!」

「誕生日プレゼントだ。」

鈴木薫は手にした黒い箱を高倉海鈴に渡した。「元々君の誕生日がいつか知らなかったんだ。今知ったから、この暗器をプレゼントとして贈る。」

高倉海鈴はそれを受け取り、笑顔で彼を見つめた。「これは久保家が決めた私の誕生日よ。実は母が別の日を決めていたの。そんなに急いでプレゼントを贈らなくても良かったのに、今度またプレゼントを用意しなきゃいけなくなっちゃうわ!」

「構わない。受け取って持っていてくれ。次はもっと良いものを用意するから。」