第667章 西村様の後ろ盾

【久保の奥様は本当に不思議ですね！高倉海鈴が20年も行方不明だったとはいえ、実の娘なのに、どうして海鈴を苦しめることができるのでしょうか？】

【これはまるで、誰かがあなたのルビーを失くして、代わりにガラスをくれたようなものです。そしてあなたはガラスの方が綺麗だと思い、ルビーを失くしたことを責めるどころか、このガラスをくれたことに感謝している、というようなものです。】

【上の例えは的確ですね。久保の奥様はまだそのメイドに感謝までしているなんて？それに久保真美はただの偽善者で、か弱く装っているくせに、わざと高倉さんを怒らせようとしています。】

【久保真美は誇らしげですよね？養女に過ぎないのに、実の娘以上に可愛がられ、久保家では何でも思い通りになり、実の娘を家に帰れないようにまで追い込んでいるなんて！】

【ファンの皆さん、よく見てください。これがあなたたちの憧れのアイドルです！まだ高倉海鈴を非難する資格があるのですか？】

宴会場の人々も怒りに満ちた目で見つめていた。「久保真美、あなたは高倉海鈴があなたを標的にして、追い出そうとしていると言っていたから、私たちはあなたを同情してかばったのに、実はあなたが彼女をいじめていたのね！」

「何の面目があって高倉海鈴に許しを乞うのよ？あなたとあのメイドがいなければ、高倉海鈴は幸せな人生を送れたはず。愛情深い両親と暮らせたはずなのに、あなたがすべてを台無しにしておいて、まだ良い人のふりをしているなんて！私があなたなら、ここにいる顔なんてないわ！」

久保真美は周りの罵声を聞きながら、体の力が抜け、危うく倒れそうになった。

宴会場のドアが開き、西村家の方々が夏目秋への参拝を終えて久保家に到着した。高倉海鈴の叔母である西村沙織は険しい表情で、何も言わずに直接久保統に殴りかかった。

「久保統、あなたの妻と養女が何をしたか見てみなさい！せっかく戻ってきた海鈴をこんな目に遭わせて、よくもそんなことができたものね。久保家が海鈴を要らないというなら、西村家が引き取ります。彼女は西村家のお嬢様です。これからは誰であれ、海鈴をいじめることは西村家に敵対することと同じです！」

久保統は顔を青ざめさせ、反論する勇気もなかった。西村家の方々が来ると知って、すぐに戦々恐々と出迎えに行ったものの、結局殴られてしまった。