第683章 頭が悪くてお金持ちのお坊ちゃま

高倉海鈴が顔を上げると、二人の若い女性が入ってきた。そのうちの一人が中年の男性の前に歩み寄り、高慢な態度で「この透かし彫りの花瓶はいくらですか?」と尋ねた。

中年の男性は笑みを浮かべながら、この花瓶を手に入れるための条件を説明した。その女性は即座に不機嫌な表情を見せ、目を走らせて高倉海鈴と藤原明を見つけると、彼らを指差して「あなたたちも花瓶を買いに来たの?」と聞いた。

高倉海鈴が答える前に、若い女性は命令口調で「あなたたちには関係ないわ。すぐに出て行きなさい。私たちの買い物の邪魔をしないで!」と言った。

言い終わるや否や、彼女の後ろにいたボディーガードが追い出そうと突進してきた。藤原の次男である藤原明がこのような扱いを受けたことなど一度もなく、憤慨して「ここはあなたの店じゃないでしょう?何の権利があって私たちを追い出すんですか?」と言い返した。