第715章 藤原明の詰問

山田莉央は、ベッドシーツの上の処女の証を凝視していた。

藤原俊介も最初はそう思っていた。父子が同じ女性と関係を持つなんてあり得ないことだ。もし藤原徹が青山怜菜と関係を持っていたのなら、絶対に彼女を引き取ることはできないはずだった。

しかし昨夜の感触は確かだった。青山怜菜が処女だったかどうかは分かるはずだし、その証拠も本物だった。だから……

青山怜菜は大きな屈辱を受けたかのように、声を詰まらせて泣いた。「俊介さん、私と藤原社長は...本当に何もありません。私の初めては、あなたに捧げたんです!うっ...うっ...」

藤原俊介の心は一気に晴れやかになった。女性の処女性にそれほどこだわりはなかったが、こんな可憐で清楚な少女が自分に初めてを捧げ、しかも愛情を表現してくれる。どんな男性がそれを拒否できようか。

彼はバスローブを羽織り、山田莉央を通り過ぎて床に座り込んでいた青山怜菜を抱き上げ、優しく言った。「怜菜、君が私と一緒にいたいというなら、ここに残って私のそばにいてくれないか。」

山田莉央はこの年齢では、せいぜい色気が残っている程度だが、青山怜菜はまだ二十代で、女性として最も美しい年頃だった。しかも青山怜菜は優しく従順で、藤原俊介が抵抗できないのも当然だった。

青山怜菜は藤原俊介の胸に寄り添い、恥じらいながら俯いた。

山田莉央はこの光景を見て、まるで発狂しそうだった。これは本来、藤原徹に仕掛けたはずの罠なのに、今や自分に返ってきてしまった!

かつて彼女は必死になって策を巡らし、全力を尽くして藤原俊介を自分のそばに留め、何年もの努力の末にようやく正妻の座を手に入れた。なのに今、青山怜菜というあの賤女はたった一晩寝ただけで、藤原家に居座ることになったのだ!

「藤原夫人、自分で蒔いた種は自分で刈り取るという言葉がありますが、今のあなたにぴったりですね」と高倉海鈴はにこやかに言った。

「二十年前、藤原会長が不倫をして、あなたは彼と手を組んで陸田さんと離婚させました。今やあなたは年を取り、彼は若くて美しい女性に目移りする。こんな日が来ることは予想できたはずです。今日のあなたの苦しみは、すべて当時の報いなのです!」

山田莉央は胸が痛むほど怒りに震えた。「高倉海鈴!」