藤原徹の熱い手が彼女の肩に落ち、滑らかな肌を撫でると、その感触は少し冷たかった。彼は暫く黙り込み、急に熱のこもった目で「着ないつもりか?」と尋ねた。
男の整った顔が急に近づき、その瞳は優しさに満ちながらも、どこか笑みを含んでいた。全身から漂う侵略的な雰囲気に、高倉海鈴の心臓は激しく鼓動した。
彼女が返事をしないのを見て、男は低い声で「いいだろう」と言った。
言葉と共に、高倉海鈴の鎖骨に幾つもの熱い口づけが落とされた。熱い息が彼女の全身を包み、震えが走る。彼の冷たかった唇は次第に熱を帯び、焦りと激しさを含んで、彼女の白い肌に次々と痕を残していった。
しばらくして、藤原徹はゆっくりと顔を上げ、未だ余韻に浸りながら唇を舐め、かすれた声で甘く「藤原奥様、まだ着ないおつもりですか?」と言った。
高倉海鈴は徐々に我に返り、うっとりとした目で彼を見つめた。
彼の体が少し強張り、内なる熱が叫びを上げた。今の高倉海鈴は頬を赤らめ、白い鎖骨には赤い痕が散りばめられ、無邪気に彼を見つめている。たった一つの眼差しで、彼の誇りとする自制心は跡形もなく消え去ってしまう。
「いい子だから、着てごらん」
高倉海鈴は首を傾げて横の鏡を見つめ、雷に打たれたように凍りついた。
藤原徹は上着を取り、彼女の上半身を包み込み、丁寧にボタンを留めた。こんなに魅惑的な藤原奥様を、他の誰にも見せるわけにはいかない。
藤原奥様が服を着終えるのを見届けてから、藤原徹は優しく彼女の頬を撫で、微笑んで「藤原奥様、これからはこんなに薄着はダメですよ。さもないと、代償を払うことになりますから」と言った。
高倉海鈴:「……」くそっ!この意地悪な男!こんな手を使うなんて。もう着たくなくても着なければならない。キスマークを付けたまま交流会に参加するわけにはいかないのだから!
彼女が怒って藤原徹を押しのけようとすると、男は素早く彼女の手を掴み、一気に抱き寄せ、かすれた低い声で「海鈴、僕は嫉妬するんだ」と言った。
高倉海鈴は全身を震わせ、首筋で男の熱い息遣いを感じながら、彼が諦めたように「僕は一人の男で、君の夫だ。他の男が君を見つめる視線に耐えられない」と言うのを聞いた。