第844章 ヘブンリー・エンターテインメント

「伊藤さんには今日は休暇で仕事の話はしないと伝えてあります」藤原徹は苛立ちながら言った。「それに、新設の芸能プロダクションとは協力関係を結ぶ価値もありません」

この一言で伊藤おじさまの言葉は喉に詰まった。藤原徹の言う通りだった。伊藤家が設立した芸能プロダクションは会社とも呼べず、ただの小さな事務所に過ぎなかった。所属タレントもわずかしかいない。一方、藤原財閥は芸能界で名を轟かせ、国内最大手の芸能会社の一つとして、芸能界で強大な発言力を持っていた。

多くの人が藤原財閥との協力を争っているが、藤原徹はそれらを眼中にも入れていない。まして新設の事務所など論外だった。

藤原財閥傘下のヘブンリー・エンターテインメントには多くのタレントが所属しており、トップアーティストや人気俳優、アイドルグループなど、話題のドラマには必ず彼らが出演していた。