第919章 弁解のしようがない

「海鈴は私の従妹で、彼らはもう結婚しているわ。彼らの結婚を壊すなんて、私が第三者になってしまうじゃない?そんなことはしたくないわ!」

夏目城は困った表情で言った。「でも彼女は今まで一度も謝罪していない。全く後悔の念もないようだ。君は悔しくないのか?」

その時、記者たちは驚くべきスクープを手に入れたことに気づいた。誰一人として撮影機材の電源を切らず、瞬時にすべての会話が視聴者の耳に届き、配信ルームは大騒ぎとなった。

つまり、サリーには元々婚約があったが、それを従妹に奪われたということだ。さらに彼らの会話に出てきた藤原家のことを考えると、サリーの婚約を奪った人物が藤原奥様であることは想像に難くなかった。

【サリーと祖父の会話から以下のようにまとめられます。藤原家と夏目家は何年も前に婚約を結んでいましたが、藤原家はそれを重要視していませんでした。しかし、藤原社長はずっとこのことを覚えており、婚約に従って藤原奥様と結婚しました。ただし、藤原社長は夏目家との婚約は知っていたものの、夏目家のどの令嬢と婚約していたのかは知らず、サリーの従妹と結婚してしまいました。本来はサリー本人と結婚するべきだったのです。】