第900章 一緒に出て行け!

「彼女が藤原社長に告げ口したとしても、社長が必ずしも彼女の味方になるとは限りません。結局、社長は公私をきちんと分けていて、必ず会社の利益を考えるはずです。こんな重要なポジションを、遊び暮らしているだけのお金持ちの奥様に任せられるわけがありません」

「そうですよ!夏目さんは嵐エンターテインメントの会長が選んだ人物なんですから、簡単には変えられないはずです。どう考えても、藤原社長は会長の顔を立てなければなりませんからね」

みんなの議論を聞いて、鈴木琴美は咳払いをし、真剣な様子で言った。「皆さんもご存知だと思いますが、嵐エンターテインメントの会長は経営の天才です。彼が投資した番組は全て大ヒットしていて、目が非常に肥えているんです!だから彼が選んだ人物にも必ず何かあるはずです。夏目さんは間違いなく最高経営責任者として、皆を導いて輝かしい未来を創造する能力があります!」

高倉海鈴が階段を上がっていた時、ちょうどこの言葉を耳にした。この点については彼女も同意見で、嵐エンターテインメントの会長は目が肥えていて、経営の天才だと思っていた。

藤原明は彼女が階段を上がるのを見て、急いで後を追った。その整った顔には怒りが満ちていて、ヒステリックに叫んだ。「高倉海鈴!」

「そんな大きな声出して、驚かせる気?」高倉海鈴は不機嫌そうに眉をひそめた。

藤原明は怒りを爆発させて言った。「いつからそんなに弱気になったんだ?あいつらが君を指差して悪口を言っているのに、なぜ黙っているんだ?もし言い返せないなら、僕が代わりに言ってやれるのに!なぜ僕に口出しさせないんだ?」

高倉海鈴は一瞬止まり、彼の逆立った髪を優しく撫でながら、「怒らないで。私がこうしているのは、ある人たちの本性を見極めるためよ。ヘブンリー・エンターテインメントを引き継ぐには、誰が私に忠実なのかを知る必要があるの。この鈴木部長にしても、ヘブンリーに残しておくのは害にしかならないと思わない?」

藤原明はすぐに理解し、尊敬の眼差しで彼女を見つめた。「高倉海鈴!君は本当に賢いね!」

高倉海鈴は軽蔑的に笑った。鈴木琴美は夏目小夜子に取り入りたいのなら、夏目小夜子と一緒に消えてもらおう!