第069章 一杯濁り酒を

富貴は大切に育てた雌のタカを飼っていた。そのタカは獲物を逃したことがなく、一撃必中だったが、ある時、山跳びウサギを捕まえようとして失敗した。ウサギがタカに急降下されて尻を掴まれた時、振り返らなかった。目を潰されるのを避けるためだ。代わりに、肉に爪を食い込ませたタカを引きずって酸棗の林に突っ込んだ。タカは最初爪を離そうとしなかったが、蒺藜と棗の棘に刺されて痛くなり、狡猾なウサギを諦めようとした。しかし遅すぎた。もがけばもがくほど傷つき、棘に刺されて血まみれになり、羽根はボロボロになって林に落ち、息も絶え絶えになった。陳二狗と富貴はただ無力にその死を見守るしかなかった。

熊ちゃんはそんな経験がなく、もしその光景を見ても面白いと思うだけで、深く考えることはなかっただろう。彼は蘇北で土皇帝のような吳煌とは違い、東南沿海で根を張る「大きな木」の談心とも異なっていた。熊ちゃんには下を見る視野も余裕もなく、前を見て、上を見るしかなかった。さもなければ、家族は彼の代で終わってしまう。ある意味で、黒クマは目が見えないからこそ恐れられるが、しかし盲目が常に最後に笑えるわけではない。趙家のお爺様は人に情けをかけることも、許すべき時に許すこともしなかったが、少なくとも人を死に追い込むことはなく、追い詰めた上で更に侮辱することもなかった。