第068章 小物の背骨

百万長者は千万長者の仲間入りを必死に狙い、千万長者は億万長者と杯を交わすことを夢見、億万長者は生殺与奪の権を握る政界の要人と栄華を共にしようとする。ビジネス界、政界、闇の世界が織りなす、敷居の高い大小の城壁。その中にいる者たちの喜怒哀楽は、幸か不幸か、誰にも分からない。だが、城壁の外には常に、つま先立ちで首を伸ばして覗き込む後継者たちが群がっている。

竹葉青から一晩で七万を勝ち取った三人の女。竹葉青の目には、一人は娼婦と大差なく、毎月若い男を囲うのが好き。もう一人は豚の頭のような醜い女で、金のことしか頭になく、肉親さえも顧みず、金庫を次々と買い込んでは現金を詰め込むのが最大の楽しみ。最後の一人は確かに賢い女だが、抜け目なさが過ぎて、かえって憎らしい。

蒙衝は竹葉青の麻雀を見ていると、負けが多く勝ちが少なかった。正確に言えば、千局近く見てきて、勝った回数は両手で数えられるほどだった。竹葉青にとって麻雀で勝つことは負けるよりもずっと簡単だった。なぜなら、負けるのは大きな学問で、囲碁でハンデなしで負けるのと同じように、痕跡を残さずに負けるには大きな心配りと技巧が必要だった。彼女の麻雀卓に座れる女たちは誰一人として金に困っていなかった。麻雀で賭け金を勝つことは二の次で、四人の女たちの間での駆け引きに勝つことこそが最大の楽しみだった。竹葉青は負けなければならず、しかも手加減しているのが分からないように負けなければならなかった。蒙衝は誰かが奇跡的に竹葉青から金を勝ち取れば、それはその人が竹葉青の腹心として認められ、友人となったことを意味すると知っていた。友人という言葉は世間では氾濫しているが、竹葉青の周りでは稀少だった。蒙衝は十年近く忠実に働き続けてきたが、自分がこの女の腹心だとは言えず、ただ竹葉青の手先として甘んじるしかなかった。