第70章 私はまた戻ってくる

陳二狗は初めてハンティングナイフでノロジカの内臓を取り出した時のことをはっきりと覚えていた。まず胸骨の下の窪みから慎重に小さな切り込みを入れ、左手の二本指を腹の下に入れて広げ、その指の隙間からナイフを上向きに入れて柔らかく白い腹部を切り開く。そうすることで腸や胃を傷つけることなく、温かい腸と胃の塊を丸ごと取り出すことができた。この過程には巧みな力加減が必要だった。後に熊ちゃんの腹部に残されたその凶器は専用の解剖刀となり、彼の手にかかって皮を剥がれ筋を抜かれたノロジカは数知れない。正直なところ、趙家の若旦那を刺し倒した後、ノロジカのように扱おうという衝動に駆られなかったわけではない。手足の筋を切るどころか、人皮を剥ぐことだって難しくはなかった。しかし陳二狗にはついにその勇気が出なかった。彼は運命を信じ、死後地獄で油の釜に落とされ、輪廻から解放されないことを恐れた。だから熊ちゃんを直接殺さず、その命を天に委ねたのだ。死んでも、陳二狗は殺人罪を犯したことを後悔しない。なぜなら天が熊ちゃんを召したのであり、人が卑しければ天が収めるのだ。死ななければ、天が許さなかったということで、熊ちゃんにも彼自身にも一つの道を残したことになる。裏社会では草を根こそぎ刈り取り、政界では虎を山に帰すことを忌むというが、陳二狗はようやく今日まで生き延びた片田舎の小農民で、そんなことは分からない。彼の母は蛾を憐れんで灯を消し、鼠のために食べ物を残すような女性で、豚一頭鶏一羽を殺すのにも長々と念仏を唱え、一生慈悲深く生きた。陳二狗が今日のような大都会に適応した打算的で薄情な心を持つようになったのは、張家寨のあの下賤な連中が二十年間変わることなく彼を罵り、呪い、冷遇し、あざ笑ってきたおかげだ。学校の記念日に郷長を見かけただけで、上海では テレビでしか要人の姿を拝めないような陳二狗に、殺伐とした決断力や天下に負けぬという大将の気概を求めるのは、陳二狗に一晩で小夭を六七回たぶらかせと言うようなものだ。