第31章 狂気なくして成功なし

陳二狗は鐘山ゴルフに引っ越してきたが、陳圓殊のお金で初めてヒルトン國際ホテルに泊まった時のように、あのキングサイズベッドが自分の好き勝手に寝返りを打てる場所ではないことを、はっきりと分かっていた。上海や山水華門のような犬小屋の方が快適かもしれない。陳二狗は魏夏草に別荘の二階の一室に案内された。そこには専用のバスルーム、専用のバルコニー、さらには専用の小さな書斎まであり、陳二狗の目には広くて贅沢に映った。陳二狗は本を一冊一冊丁寧に並べ、袋の中の服を畳んでクローゼットに入れ、最後に机に座って宣永光の『放言錄』を読んだ。

昼食は方婕が自ら料理を作り、陳二狗は普段のように好き放題食べることもできず、慎重に食事をした。食卓で機嫌の良さそうな方婕は陳二狗に一枚の名刺を渡し、運転免許を取るために誰かに会いに行くように言った。最後に華夏チタンゴールドカードを渡して言った。「このカードはあなたの身分証で作ったものよ。今、会社であなたのポジションを用意したわ。限度額は20万まで。使い方は自分で考えて、お金を使うのを恐れないで。何をしても私に報告する必要はないわ。免許を取ったら会社に来て。はっきり言っておくけど、今のところ財務や管理には触れさせないわ。主に私の専属運転手として働いてもらうけど、株主総会や取締役会の時は傍聴できるわ。それ以外は、端公の場所やプライベートな場所の管理を少しずつ手伝ってもらう。プライベート会員制クラブ1軒とバー2軒、その他いくつかの娯楽施設よ。面倒そうに聞こえるけど、一つずつ慣れていけば楽になるわ。私の考えでは、もしあなたが会社経営にも力を注げるなら、手順を覚えて評判を得たら、全ての業務をあなたに任せるつもり。あなたを他人とは思っていないから、隠し事はしないわ。郭くんが去った後、心を開いて話せる腹心がいなくなってしまったの。」