第30章 金を水のように使う_2

「夏草、浮生を山水華門に連れて行って、彼の荷物を取ってきて、それから徳基広場で服を何着か買いに行きなさい。その後の予定は自分たちで決めなさい」と方婕はお茶を飲みながら淡々と言った。まるで娘の魏夏草が階段で会話を盗み聞きしていたことを予想していたかのように。魏夏草は階段を降りてきて、不機嫌な顔で尋ねた。「お母さん、どういうこと？」

「これからは浮生が鐘山ゴルフに来るということよ」

方婕は娘の驚きと怒りが入り混じった表情を全く気にせず、二十年以上も母親として魏の端公と共に大きな世界を築いてきた方婕は、母娘間でも夫婦間でも決して引け目を感じることはなかった。おそらくこの変えようのない強さが、最終的に志を同じくする魏の端公との別れを招いたのだろう。彼女はお茶を一口飲んで言った。「浮生が引っ越してくるわ。もし慣れないなら、自分でアパートを借りればいいわ。ただし、月二万元ではなく五千元になるわ。貧乏だと言い出さないで、五千元はホワイトカラーの給料よ。もうすぐ実習が始まるんでしょう？ちょうどいい機会だわ。自分で選びなさい」

魏夏草は顔をしかめながらも大人しく方婕から車のキーを受け取り、陳浮生を連れて別荘を出て行った。周驚蟄は思わずため息をついた。人を操る術において、彼女は方婕に及ばないと自認していた。彼女の愛娘である魏冬蟲は手紙を一通残して家出してしまい、数日おきに公衆電話で無事を知らせてくるだけで、周驚蟄はどうすることもできなかった。娘のカードを凍結しようとも考えたが、思い直して忍びなかった。ただ心配しながら、あの子が無事に早く帰ってくることを願うばかりだった。

魏夏草はメルセデスベンツS500に乗り込んだ。陳浮生も余計なことは言わず、自ら不快な思いをしないようにした。山水華門に着くと、陳浮生が服の入った大きな袋をトランクに詰め込んだ時、魏夏草の表情はすでにかなり険しくなっていた。その後、陳浮生はまた部屋に戻って、もう一つの大きな袋を運んできた。車の中で音楽を聴いていた魏夏草は思わず車から降りて、眉をひそめて「何なの？」と聞いた。

陳浮生は恥ずかしがる様子もなく「一つは雑多な服、もう一つは本です」と答えた。

魏夏草は冷笑して「あなたに本なんてあるの？」と言った。