梅ちゃんは昔から、男が自分だけ惨めな思いをするのはまだしも、自分の女までも巻き込んで苦しめるなんて、それが何の英雄だというのかと思っていた。
陳二狗は頭が良かったので、梅ちゃんの予想通り一人で去っていった。梅ちゃんには、全てを胸の内に秘めた陳二狗の鬱憤や、沐小夭に対する深い罪悪感が想像できた。おそらく、純真で素直な沐小夭は一生、音もなく消えていったり、ある日突然現れたりするあの男が、沈黙を保ち続けた歳月の中で一体何をしたのか、何を考えたのか、何を背負ったのか、何を耐え忍んだのか、孤独だったのか、それとも強情を張っていたのか、きっと理解することはないだろう。
誰かを好きになる、あるいは愛する。それにはどうすれば適切なのだろうか?
これは一つの問題であり、非常に深遠な問題だった。