第10章 金と食料と縄張りを奪う

商甲午はようやく太陽が西から出てきたかのように一瞬まじめな態度を見せたが、すぐにまた遊び人のだらしない姿勢に戻り、へつらうように笑って言った。「たとえ私が油断して奴に負けたとしても、老仏爺はいつも成敗で英雄を判断するなと言っているじゃないか。皇甫おばさんは、このことで私があなたの心の中で持つ偉大なイメージを変えたりしないでしょう?」

これこそ商甲午の一貫した卑劣なやり方だ。相手を言葉で打ち負かせるなら決して正面から戦わず、横になってできる仕事なら決して座ってやらない。狡兔三窟を崇拝し、決して自分を虎の背に乗って降りられないような高みに置かない。面目を失っても苦労したくないのだ。小人と言われても大きな悪事を働き、奸雄と言われても大物の度量や屈辱に耐える力はない。

「成敗で判断されないのは英雄だけよ。あなたはいつから英雄になりたいと思ったの?小さい頃から、きっと男を欺き女を虐げる悪党になる方法ばかり考えていたんでしょう?」竹葉青は動じることなく、古井のように波一つ立てず、静かに鬥犬場を出て行った。

陳二狗を呼びに行った坊主頭の蒙衝は、正直なところ、老狐狸の澹臺浮萍の背後にいる足の不自由な姚尾巴を心底恐れていなければ、また長い辮髪の足の不自由な老人の生涯に稀な早業の刀さばきを恐れていなければ、とっくに主人の竹葉青に不埒な心を抱くこの若者、商甲午を黃浦江か錢塘江に投げ込んでいただろう。