第26章 門前払い_3

陳二狗一行が燕莎を離れると、めったに娯楽施設に姿を見せない成元芳が3人の女の子を上品な個室に呼び入れた。彼女たちが部屋に入ると、女社長は足を組み、頬杖をついて、マールボロを一本吸っていた。彼女は背が高くなかったが、男性を羊のように従わせる風格を持っていた。シンプルな服装で、首にはブラックパールのネックレスをつけており、それは透き通るような輝きを放ち、雪のように白い肌と相まって映え、煙の中で一層際立っていた。彼女の登場に、彼女の伝説的な話をよく聞いていた3人の後輩たちは、それぞれに畏敬の念を抱き、最初は曖昧な視線を送っていた背の高い美女さえも少し不安そうだった。

「彼らは個室で何か言っていた？」成元芳は静かに尋ねた。

「一番背の低い人が、彼らは武器密売と麻薬取引をしていると言っていました」と、業界に入ったばかりで夜の世界の経験が最も浅い女の子が恐る恐る答えた。

成元芳は微笑んで言った。「麻薬なら半信半疑だけど、武器密売はないわね。彼らにはまだそんな力はない。彼らがどんな人に見えたか話してみて。気楽に、緊張しないで、私とおしゃべりするつもりで」

成元芳の話し方はゆっくりとして、少しも怒りの色はなく、夜の世界の女王というよりも、生徒を教える教師のようだった。王虎剩に気に入られた女の子が口を開こうとした時、成元芳はタバコの灰を払いながら「思嘉に話させて」と言った。

少し豊満で魅力的な美女はすぐに口を閉じ、黙り込んだ。彼女は駆け出しの親友王思嘉とは違い、目の前の大物は苦しみを救う観音菩薩ではないことを知っていた。彼女は思嘉が間違ったことを言わないか心配し始めたが、このような状況では注意する勇気もなく、ただ汗ばんだ思嘉の小さな手を静かに握るだけだった。

「一人は公子哥や坊ちゃんのような人で、普通の服装でしたが、あまり話さず、表情も控えめでした。でも、普通の人ではないと思います」

これは若い王思嘉の陳慶之に対する第一印象だった。無意識のうちに、彼女はこの最も寡黙な男性を中心人物と見なしていた。彼女はまだ隣の二人の友人のように夜の世界に慣れておらず、人の言動を観察する目も十分に鋭くなかった。