月は明るく星は少ない。
有間武館の周りは、いつの間にか静まり返っていた。
「夜半三更、火の用心!」
巡回する夜回りが銅鑼と拍子木を叩きながら、ゆっくりと通りを過ぎていく。
三元城の大小の城門は固く閉ざされ、さらに駐屯軍も交代し、より強力な定州軍が配備された。
この夜、どれほど多くの人が眠れぬ夜を過ごしているのだろうか。
山雨来たらんとして風楼に満つ!
有間武館の練習場にて。
方夕は静かに混元真功を練習していた。
青桑と青木が逃げ切れるかどうかも、さほど気にかけていなかった。
どうせ自分が無事なら、彼らも必ず無事だ。
自分が身を守れないなら、彼らのことなど気にかける余裕はない。
捕まえられて自分を脅すための人質に?彼は元より脅しに屈する人間ではない。
「神融天地、天人合一か?」
動きの中で、方夕は拳や足を振るう度に、真気が絶え間なく湧き出し、活発さが極限に達しているのを感じた。
あと少しで、四肢百骸から噴き出し、より玄妙な力へと変化しようとしていた!
シュッ!
その時、一つの人影が闇から浮かび上がるように現れ、巨大な大蛇のように飛び出し、腕の筋肉は絡み合い、鋭い爪と怒張した血管は獣の爪のように、方夕に奇襲を仕掛けた!
バン!
方夕は予期していたかのように、右掌を下げてこの奇襲を受け止め、混元真勁を激しく放出した!
バチッ!
闇の中で、稲妻が一瞬光ったかのように、襲撃者の姿が一瞬止まった。
高手の戦い、この一瞬の隙こそが勝負を決する!
方夕は左手の五指を揃えて拳を作り、巨霊神が開山斧を振るうかのように打ち出そうとしたが、突然停止し、半円を描いて別の方向へ打ち出した。
ドンドン!
庭の壁が大きく破壊され、そこから身長三メートルを超え、全身が筋肉隆々とし、肌が黒鉄のような色をした武師が飛び出し、両手を交差させながら、獣のような咆哮を上げた:
「奥義・萬獣咆哮!」
方夕の途中で変えた一撃は、相手の必ず通る道筋に的確に放たれた。
相手は表情を変え、両腕を交差させて胸の前で防御した。
続いて、苦痛の呻き声を上げ、両腕が折れ、白い骨が覗き、さらに速い勢いで吹き飛ばされた。