第22章 落ちこぼれに発言権なし

そう思うと、雨宮由衣は気を取り直して教科書を読み始めた。

隣で机に伏せて寝ていた男子生徒は、ページをめくる音が聞こえてきて眉をひそめ、横を見た。

すると、雨宮由衣が本を読んでいるのが目に入った。

この女、ショックで性格が変わったのか?

そう思った矢先、由衣の動作を見て男子生徒の顔が曇った。

なぜなら、由衣が本をめくるスピードが、今日の豹変ぶりよりも速かったからだ。

これのどこが読書だ?

でも読書じゃないなら、何をしているんだ?暇つぶしにページをめくって遊んでるのか?

「うるせぇな」イケメンの顔に不機嫌な表情が浮かんだ。

雨宮由衣の顔が曇った。このガキ、調子に乗ってきやがって!

年上の立場を利用して黙らせてやろうか!

年齢的には、彼は由衣のことを叔母さんと呼ばなければならないのだ!