寮。
「九様九様~どうしてまだ返事くれないの?私の書いたの、良かったかな~褒めて褒めて、チューして~」
雨宮由衣はメッセージを送った後、相手からの返信が遅いのを見て、念のためにもう一通追加で送信した。
実は彼女の心の中には多少の不安があった。庄司輝弥がそういった調子に乗ってくれるかどうか確信が持てなかったからだ。
あの賦は、実は男性が慕う美人に向けて書いたものだった。
女性からのあんな甘ったるい告白として受け取られて、あのサイコパスは怒らないだろうか?
前世では、夜中に学校で庄司輝弥の手下に連れ戻され、学校中が大騒ぎになった。彼女についての様々な噂が飛び交い、金持ちの愛人になっていて逃げ出したから捕まったとか、家が高利貸しから借金をして、彼女を売り飛ばそうとしているとか……