第25章 今日のイチャイチャ、皆さんごゆっくりどうぞ

こ……こんなことがあり得ない!

井上和馬はそのメッセージを見つめ、まるで幽霊でも見たかのような表情を浮かべた。

彼の頭の中には、あの死ぬほど甘ったるい恋の詩が何度も繰り返し響いていた。

「これは……」井上和馬は目を丸くした。

あまりにも信じがたいことだったからだ!

雨宮由衣のこのラブレターは、他の誰かではなく、自分の当主に宛てたものだったのか?

井上和馬の様子の変化は当然、庄司輝弥の注意を引いた。男の声は低く沈んでいた。「寄越せ」

庄司輝弥の冷たい視線を感じ、井上和馬は躊躇う余裕もなく、すぐさま恭しく両手で携帯電話を差し出した。

男は携帯電話を握る指に力を込め、少し間を置いてから、ようやくひび割れた画面越しにメッセージの内容を見た。

メッセージには一枚の写真が添付されており、その写真に写っていたのは、先ほど彼の五臓六腑を灰燼に帰したあのラブレターだった。