第30章 クラス順位、1!

頭のおかしい生徒とこんなに時間を無駄にするなんて、二宮晴香の忍耐は限界に近づいていた。

彼女は雨宮由衣の国語のテスト用紙を取り出した。

しかし、雨宮由衣の国語の点数を見た瞬間、彼女は凍りついた。「国語が……142点……」

教壇の下の生徒たちは二宮晴香の言葉を聞いて、互いに顔を見合わせた。

「今、担任が何て言った?142点って何?」

「見間違いじゃない?」

「えっと、0点と142点、そんな見間違いあり得る?」

二宮晴香は自分が間違った答案を取り出したのかと思い、もう一度名前欄を確認したが、間違いなく雨宮由衣の名前が書かれていた!

国語で142点を取るってどういうことだ?国語は満点が150点で、普段から国語の成績が優秀な優等生でさえ、140点以上の高得点を取ることは極めて稀だった。

二宮晴香は疑いを抑えながら、続けて雨宮由衣の社会の答案を開いた。

社会の点数はさらに驚くべきものだった!満点300点中、雨宮由衣は296点を取っていた!

最後に残っていたのは英語だった。

雨宮由衣の英語の成績を見た時、二宮晴香は完全に呆然として、言葉を失っていた。

「英語150点……そんなはずない!」

彼女は英語を教えていて、今回採点したのはAクラスの英語だった。Aクラス全体で、満点を取った生徒は一人もおらず、最高点でも148点だったのに、雨宮由衣の成績表には満点が表示されているなんて?

二宮晴香は慌てて書類を探り、一番下に押し込んでいた順位表を取り出した。順位表の一番上の行には、まさしく雨宮由衣の名前があった。

雨宮由衣のクラス順位は——なんと1位!

「二宮先生、私の順位を教えていただけますか?」最後列から、少女が冷たい眼差しで尋ねた。

二宮晴香はその薄い順位表を強く握りしめ、表情は次第に暗くなり、ついに激怒した。「ふん、雨宮由衣!随分と図々しくなったわね!よくもカンニングなんてできたものね!!!」

まるで二宮晴香の反応を予想していたかのように、雨宮由衣は落ち着いて尋ねた。「先生は何を根拠に私がカンニングしたと言えるんですか?」

二宮晴香の表情は最悪になり、声を荒げた。「ふん、カンニングしてないですって?カンニングしてないのに国語142点!社会296点!英語150点!クラス1位!?」

二宮晴香の言葉を聞いて、クラス中が騒然となった。